バックパッキング放浪の旅 その3 : 米国アラスカ州フェリーで行く氷河の旅、そしてヨット遭難事件
前回のその2では、ウェストコーストトレイル終了後、ヒッチハイキングで公共交通機関がある町まで移動しました。
その後また南下してビクトリアに戻らずに、バンクーバー以外の内陸地に移動したかったので、バンクーバー島の東部にある町、ナナイモから東北部にある港(ポートハーディー)に行き、米国アラスカ州との国境近くにあるプリンスルーパートにフェリーで移動することにしました。
ナナイモ → ポートハーディー
ポートハーディーには、ナナイモから当時はIsland Coach Line(バス会社)のバスで移動。
現在はGreyhound(バス会社 )のバスが二日に一度出ているようです。
ポートハーディー → プリンスルーパート
ポートハーディーから内陸側の海岸線にあるプリンスルーパートまでBCフェリーが出て、内陸といくつもの島々の間を抜けるコースで15時間ほどかかります。
キャビンを取ることもできますが、少し仮眠をとれるスペースもありましたので、節約旅行をしていた私は乗船券のみで乗船しました。
現在フェリー代は大人一人$130-379 掛かるようです。
このフェリーに関しては、私の記憶には特別な印象は残っていません。
ポートハーディーからのフェリーで知り合った旅行者から情報を得て、カナダと国境を隔てた太平洋側の米国アラスカ州の町、スキャッグウェーとジュノーにフェリーで行くことにしました。
プリンスルーパート→アラスカ州スキャッグウェー
スキャッグウェー行のフェリーはプリンスルーパートから出ています。現在のフェリー料金は、乗船券のみ$280です。寝台2つ付き窓無のキャビンは$268追加。窓有は$331追加です。直行でスキャッグウェーまで行くと片道32時間かかります。乗船前に米国の入国審査を通り、米国の旅行ビザを取得。そのまま乗船です。フェリーは途中、いくつかの港に定着します。
プリンスルーパート → アラスカ州ジュノー
私は途中、氷河で有名なジュノーと言う町で下船し、キャンプをすることにしました。
ジュノーの港に着く前に、とても圧迫感のある壮大な氷河が海に流れ込んでいる景色をフェリー上から目にすることが出来ました。
ジュノーでは、氷河ツアーがあるようですが、私は貧乏旅行でしたので歩いて見学にいきました。
ジュノーは、アラスカ州の州都で、アラスカをフライパンに例えると、取っ手の部分にある元々は金採掘で栄えた町でした。
2010年現在人口3万1275人でやはり一番有名なのはメンデンホール氷河(Mendenhall Glacier) です。
現在は地球温暖化の為、どこでも氷河が年々少しづつ溶けていっていますので、当時私が見たような氷河の光景は今はもう見ることが出来ないでしょう。
左側が当時の氷河の模様で、右側が最近の氷河の模様です。
ずいぶん溶けていますよね。一度でも氷河を見たいという方は、一日も早く行くことをお勧めします。
私は氷河を見たのはその時がが初めてでした。
その氷河はそれまで想像していた白い氷河ではなく、遠くから見ると表面は白ですが、氷河の切り目や穴から見える色はターコイズブルー(鮮やかな輝かしい宝石のような青色)でした。
今調べてみると、氷河の洞窟みたいなところに入ったり、ハイキングコースがあるみたいですね。私は行っていませんが、こんな感じ ↓
アラスカ州ジュノー → アラスカ州スキャッグウェー
スキャッグウェー。スキャッグウェーは、2019年の調査では人口1,183人の小さな町で、ジュノー同様元々は鉱業の町でした。
現在はクルーズ船の停泊地として、観光業のみが産業となっているようです。
スキャッグウェーの宿泊地は記録も記憶もなく、近くに登山できるアッパー・デュウェイ・レイク・トレイル(Upper Dewey Lake Trail)があったことを覚えています。
このトレイルは、泊まったキャビンから山頂までの所要時間は徒歩3時間。標高差3080フィートで、トレイルの長さは8km。私は宿のスタッフに「いい所を教えて」って聞いて教えてもらったのが、このトレイルだったので、ウエストコーストトレイルに続き、私は何も知らず、かなり適当な格好で、適当なものをもっていきました。
今回オンラインで調べたら、ハイキング上級者向きで、時には雪崩も起きると書いてありました。
時は5月下旬、天気は晴天。Tシャツにフリースライナーが付いているウインドブレーカーを着て出発しました。
出だしは普通のハイキングだったのですが、急にトレイルが急こう配になり、山登りの様な状態に変化。山頂近くは雪が脛まで積もっていて、トレイルが全くどこなのか分からない状態でした。
結局、無事山頂まで登ることが出来、スキャッグウェーの町の景色を堪能し、また帰路につきました。
バンクバー近郊の山、グラウスマウンテンのトレイルでも、時々遭難者が出るのに、私は無防備の上、土地勘が無かったのに、遭難しなくて本当に運がよかったよなぁと実感しています。
そして翌日のフェリーに乗り、カナダのプリンスルーパートへと帰路につきました。
そしてそのフェリーの雑魚寝エリアで知り合ったプリンスルーパート居住の確か海洋生物を研究している女性に出会い、趣味でやってるヨットに招待してもらい、彼女の家で一晩泊まらせてもらう事になりました。
このヨットの旅で今回の題名にあるように、遭難に会ってしまうのですね。
プリンルーパート沖でヨットの旅、そして遭難
プリンスルーパート在住の女性、休みの日はコースガード(海上保安庁)でボランティアをされてるとのこと。
お若いのに一軒家に住んでいましたし、ヨットを一隻所有していました。
それで翌日一泊二日のヨットの旅に出発しました。
私の父は8人乗りのボートを持っていて、海釣りに付き合わされたことがしばしばありました。
ヤマハ発動機で豪快にすっ飛ばして目的地で釣りをして、数時間で帰ってくる。
そんなことは何度も経験しました。
今回のヨットは、モーターもついていますが、風を上手く利用し帆を操りながら進行するもので、そのようなヨット乗船はその時が初めてでした。
どこに行ったのかは全く覚えてませんが、彼女が決めた場所に錨を下ろし、その晩はそこで夜を超すことになり、、、
翌日の朝目が覚めると、何だか横殴りの波の音が定期的にボートにあたり、船の底が垂直に立っていて、何だか様子が変でした。
そこで彼女も目を覚まし、私たちのヨットが流されて浜辺近くに打ち上げられていることに気付きました。
そうなってからは、そのヨットはもうどうすることもできません。
この様な場合は、とりあえず脱出して、後日ヨットをタグボートで沖に引き戻すしかありません。
結局、彼女がボランティアをしているコーストガードに連絡し、まさかの救出要請。
暫くするとコーストガードの船が来て、めでたく救出されました。
ずぶ濡れの私は少し寒かったのですが、元々楽天家な私は、怖かった記憶は全くなく、コーストガードの船に乗れたことが心なしか嬉しかった記憶すらあります。(笑)
彼女はとても恥ずかしかったと思います。
その後は一旦、彼女の家で休ませてもらい、次の目的地ジャスパーに列車VIA Rail で移動。
次回はローッキー山脈編です。
アドバイス
- 登山、ハイキングの時は、急な悪天候に備えて水・食料・服装など最小限の準備をして行く
- 単独行動は極力避ける
- コースなど下調べをする