今回はカナダの小学校の宿題について。
日本では、小学校一年生から毎日のように宿題が出て、出ない方が少ないくらいだと思いますが、カナダの小学校では全くと言って良いほど宿題が出ません。
高学年になったら少しだけ出る場合もあります。
低学年で出される宿題は、主に「本読み」。
決められた本と言うより、好きな本を読む宿題です。
日本の様に教科書を毎日持って帰る習慣もなく、教科書は常に学校に置いてあります。
たまに持って帰ってくる宿題もプリントの場合が殆どです。
先日の授業時間に関する記事で話した様に、授業時間自体が短いし、宿題を持って帰ってこないので、日本で教育を受けた親としては、カナダの学校で一体何を勉強しているのか分からず不安になったりすると思います。
息子に「今日学校で何を勉強したの?」と尋ねても、「う~ん覚えてない」と答えると、余計に不安です。
年に二度程、保護者参観日があり、そのクラスでどんなことを勉強しているのか、これまでの生徒の作品などを見せてもらう機会があります。
それで自分の子供の成長を確認できるくらいです。
連休や、夏休みなどの長期の休みの時に宿題が出る事はありません。
基本的に、小学生の時は外で元気よく遊び色々な事を経験することに意味を重く置いているようです。
自然が多いカナダでは、夏休みの間にアウトドアアクティビティを楽しむ家庭も多いです。
日本に比べると休暇を取りやすいカナダでは、夏休みに休暇を取って家族旅行をする家庭も多いようです。
そこには、12歳以下の子供は一人でお留守番させることが禁じられていると言う裏事情もあります。
子供の学校がない時に誰かに預けるとかなりの費用がかかりますし、その時期に有休を使って子供たちと一緒にキャンプや旅行に行くわけですね。
私も、学校以外に学ぶことは沢山あるし、カナダの子供の時は外で遊んで色んなこと体験して学校では体験することができないことを学ぶという点は賛成です。
しかし、日本の様に毎日のスケジュールに合わせて前の日に次の日の準備をしたり、毎日の日課に宿題があるのは、それらが小さい時からの習慣として身に付くので大切だとも思います。
カナダのシステムで行くと、その習慣が出来ず、だらしない子になりそうな気がします。
現に私の子供達は整理整頓や物事に対する下準備をしたりすることがいつまでたっても上手くできませんでした。
それには私の躾の面でのだらしなさも加算されているのも否めませんが、、、。
カナダでは、宿題が出ないと述べましたが、多くの子供達が英語以外を話す移民者の家庭が多い今、多くの子が小学校が終わった後に、第二か国語を学びに語学学校に通っている場合があります。
この様に語学学校に通っている場合は、そちらの宿題があったり、楽器の習い事や絵画の習い事、スポーツクラブに所属していたりと、学校以外で頑張っている子も多いです。
また、アジア系の移民が増えていて、アジア系の人達(日本人を含む)は、カナダ人に比べると学力に関してより熱心なところがあるので、数学のクラスや英語のクラスなど、学校の成績が良くなるように塾に通わせている家庭も増えています。
以上、小学校では宿題が殆どでないと言う話をしてきましたが、ハイスクールになると宿題が出るようになります。
小学校の時に宿題に慣れていないので、一年目はその習慣をつける事に苦労する学生もいます。
私がカナダの学校教育で実感したのは、カナダでは何が重要なのかを明確にしている感じがします。
例えば、歴史の授業ではその出来事が何年に起きたか、その細かい年数を覚えるようなテストはありません。
それよりも、どういった経緯でその様なことが起きて、その事で何を感じるか、何が出来たのかなどを考える指導法です。
また、高校生になると数学の時間に計算機を使います。
原子記号の表などは覚えません。
合理的と言えば合理的ですよね。
私は数学や化学は苦手ですので、断然こちら好みです。
カナダのシステムが好きな人に日本のシステムが間違っている様な口調で話すような人がいますが、日本のシステムでもいい所は沢山あります。
私が個人的にいいな~と思うのは、やはり掃除の時間です。
日本の校庭でゴミを見かける事はありませんよね。
カナダの校庭に行くと良くゴミを見かけます。
休み時間に食べたスナックの袋などです。
すぐそばにゴミ箱が数個もあるのにもかかわらずです。
こういった習慣的なものは、日本の学校教育の賜物ような気がします。
今回の話題「宿題」に話を戻すと、私個人の意見としては、日本のギュウギュウ詰めの宿題とカナダの殆どない宿題を足して2で割ったくらいの宿題量だったら嬉しいな~と思います。
やはり、ない物ねだりですね。
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