TFSAとは?
Tax Free Saving Account の略式名称で、個人の貯蓄を奨励ためにカナダ政府が2009年から始めた制度で、18歳以上のカナダの市民権を持っている人や永住権を取得した住民および(SIN)ソーシャルインシュランスナンバーを保持している人を対象に、一人当たり一定の投資額が毎年認められ、投資で得た利益(capital gainや配当金)に対する税金が免除されます。
投資額はいくら?
毎年CRAによりと投資総額が発表されます。2009年より$5,000-$6,000の投資額が設定されてきています。2021年度の投資額の上限は$6,000とのことです。その年に使われなかった投資額は、翌年に繰り越されます。これまでの総額は$69,500ですので、これに今年分の$6,000を追加した額$75,500が総額になります。
利点は?
・得た利益に税金がかからない
・通常の預金口座より利益が高い投資口座が使える
・いつでも非課税で引き出せる
通常、個人投資で得た資本利得や配当金などは、収入と見なされますので税金が掛かります。しかし、その投資がTFSA口座で行われた場合は税金が掛かりません。一般的な大手銀行の預金口座の利子率は0.01%です。一年以上口座を凍結しなければいけない口座GIC(Guaranteed Investment Certificate)でも最も良い率でも一年凍結で0.4%程しか見込めません。$1,000預けても一年で$20の利益しか見込めません。投資口座で投資信託を選んだ場合、平均で2.5%の利益が見込めます(リスクの高さによる)。従って、資産が増えるスピードが速くなります。市場の波に影響されますが、過去20年の傾向を見ると、2‐3度市場がマイナス成長したことがありますが、翌年は必ずプラス成長しています。その2年間の成長率は±0の可能性もありますが、3年目は必ずプラス成長になっています。最低でも3年以上を目途に投資を行った場合、投資信託を利用した場合が比較的安全に確実に資産を増やせるということになります。RRSPとは違ってTFSA口座にあるお金は、いつでも好きな時に非課税で引き出せますので、まとまったお金が必要な時の為の貯蓄口座としては最適だと思います。
欠点は?
・投資上限額を超えた場合、ペナルティーが掛かる
・配偶者共同の口座は作れない
・3年以下の投資には向いていない
上記したように、毎年の投資額が決まっていますので、上限を超えた場合はCRAにペナルティーを払わなければなりません。RRSPは個人の投資総額がCRAからの書類に記載してありますが、TFSAの総額はCRAのMy Accountの中に記載してあります。毎年投資している人は上限を超えないように気を付けて下さい。RRSPは配偶者共同の口座もあり、インカムタックスの時に有利な方に利用したりすることができますが、TFSA口座にはそう言ったシステムがありません。あくまでも個人名義の投資口座になります。
どこで開設できる?
大手銀行、信用銀行、オンライン株取引アプリ(Walthsimple, Questradeなど)等、最近ではオプションが増えてきています。まずは自分の口座のある銀行に問い合わせてみるのが一番便利だと思います。
口座開設に必要な書類は?
RRSP同様、ファイナンシャルアドバイザーとの予約が必要です。ソーシャルインシュランスナンバーと個人の署名となる書類を最低2枚用意するとよいでしょう。
・パスポート
・運転免許証
・クレジットカードなど
どんな種類がある?
RRSP口座同様下記の様な商品があります。自分のリスクの高さによって、銀行のアドバイザーに相談することをお勧めします。
- · Cash 現金
- · GIC 元金保証型長期預金
- · Individual stocks, so long as they trade on a major domestic or foreign stock exchange 国内、海外株式
- · Government Bonds 国債
- · Corporate Bonds 社債
- · Savings Bonds 貯蓄債券
- · Mutual Funds 投資信託
- · Index Funds インデックスファンド
- · Exchange-Traded Funds (ETFs) 上場投資信託
- · Mortgages and mortgage-backed securities 抵当証券
- · Shares in Canadian small businesses 中小企業株式
- · Gold and silver 金銀
結論
カナダの銀行では、普通口座を作るだけで毎月最低$4.00の手数料が掛かり、お金を口座に置いておくだけではドンドン資産がなくなっていきます。3年以上カナダに住む予定の人は是非この制度を使い資産を増やしましょう。またRRSP同様、毎月の入金設定にして置くと知らず知らずのうちに残高が増えますのでお勧めです。
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