今日は、新しい公休日「Truth and Reconciliation Day」です。
この日は、すべてのカナダ人が国の植民地時代の歴史と寄宿学校によって引き起こされている進行中のトラウマについて耳を傾け、学ぶための日として、政府によって6月に発表されました。
今年5月に、BC州のカムループ市の近くにある元寄宿学校で、亡くなって埋葬された先住民族の子供たちの遺体215体が発見されました。この寄宿学校はでは、政府の資金により先住民の子供たちを強制的に寄宿させ民族思考の排除を目的にした西洋の教育を行っていました。虐待なども行われていたことを生存者が語っています。
1890年から1969年の間に運営されたカムループスの学校は、一度に最大500人の先住民族の子供を受け入れ、若い子では3歳の子もいたそうです。その多くは家族から数百キロ離れたこの学校に送られました。その後、 1969年から1978年の間は地元の全日制学校に通う学生の住居として使用されました。
発見された遺体の内、50人は1900年から1970年に通っていた生徒であることが確認されています。その他165人については身元確認ができる資料が残っていないそうです。
また、その後の調査によりその他の寄宿学校跡地で1,100以上の氏名のない墓石が見つかっています。
こういった背景お受け、9月30日が「Every Child matters」 (真実と和解の日)」として国の公休日になることが6月3日に正式に憲法で承認されました。
元々9月30日は、「オレンジシャツの日」として知られていて、こういった寄宿学校で亡くなった先住民の子供たちを追悼する日だったこともあり、この日を新しい公休日にすることになりました。
またこの遺体発見後、亡くなった先住民の子供たちの追悼活動「Every Child matters」が各地で広がったこともあり、初めての「Truth and Reconciliation Day」の日の今日、各地で追悼イベントが行われ、多くの人が「Every Child matters」とプリントされたオレンジのシャツを着ていました。
残念な事に、カナダのジャスティン・ツルド―首相はこの日、BC州バンクーバーアイランドのリゾート地トフィーノにバケーションに来ているにもかかわらず、このようなイベントに参加しませんでした。
私の知らない政治的な意図があったのかもしれませんが、国中が追悼モードになっている時に、不参加はまだしも、バケーションをBC州で取っている事は、誰の目にもよく映らなかったと思います。
この日は、カナダ国民の公休日となっていますが、BC州では休日ではありません。殆どのビジネスは通常通り営業していますが、公立学校や政府の施設などは休日になっています。