2019年までの「世界で最も住み安い街」調査でいつも上位に入っていたバンクーバーですが、そのバンクーバーは現在不動産バブル真っただ中。
一軒家の平均価格が$1,600,000と信じられない価格です。それは賃貸の家賃にも影響していて、1ルームアパートの平均家賃は月約$1,500もします。
バンクーバーの場合、移民や留学生も多いので、多くの人がアパートをシェアして生活しています。
賃貸か持ち家か?
問題はそれぞれにあります。
賃貸の場合は、毎月の家賃は永遠に戻ってきませんし、住宅が自分のものになる事はありませんが、嫌になったら引っ越しできるし、修理やメンテナンスの心配をすることはありません。
しかし、北米の場合は不動産は投資と言う考えがあります。
日本は、世界で唯一新築の住宅が一番高く、古くなるにつれて価格が低下する国だと言われています。人口も減ってきているので、全国で空き家が増えているそうです。2030年には日本全国の住宅の内33%の住宅が空き家になるとも言われています。
日本の場合であれば、私は古い家を購入してDIYで改築すると思います。
しかし、欧米諸国では日本と違って時間と共に不動産は右肩上がりに増加します。必ずいつかは買った時より高くなるという事です。
小さいアパートから、ちょっと余裕が出来たら大き目のアパートに、それからタウンハウスに、一軒家にとサイズを上げて、退職したらダウンサイズして得た資金を老後の生活に回すのがカナダ式の考え方です。
しかし、購入するとなると越えなければいけないハードルも沢山あります。
最低でも以下の事項は考慮しないといけません。
- ダウンペイメント
- 住宅ローン
- 住宅保険
- 固定資産税
- ユティリティ―税
- 修理費・管理費
ダウンペイメント(頭金)
現在法律で、最初の$500,000は5%、$500,000-999,000は10%、$1,000,000以上は 20% のダウンペイメントが必要です。
例えば、$400,000のアパートを買いたい場合は、最低でも$20,000の頭金が必要となります。
親から借りるか、頑張って$20,000貯めるか、そう簡単には解決できる価格ではないですよね。
住宅ローン
日本の住宅ローンは利子が1%程ですが、カナダの住宅ローンは3%以上します。
30年前後でローン契約をすると、その間に契約更新期間によって利子もその時々で利率が変更されますので、契約当初の価格でずっと変わらないわけではありません。
その契約の長さによっても利率が変わりますので、増えた時の負担なども考慮しなければなりません。
通常ローンは収入の32%以下が基準とされています。
また、20%以下のダウンペイメントの場合はローンを組む時にローン保険も購入しなければなりません。
住宅保険
住宅の大きさや保証の内容によって金額が変わってきますが、火災、洪水や地震などの自然災害による損害から守るために必ず必要です。
固定資産税
固定資産税は市によって徴収されますので、住宅の所在地で異なります。
2021年度の固定資産税率は:
- バンクーバー市は、0.292065 %
- ノースバンクーバー市は、0.323984 %
- バーナビー市は、0.316900 %
- リッチモンド市は、0.335744 %
となっています。
ユティリティ―税
ごみ収集、街路清掃料金、グリーンビン収集、相互接続料金、年間火線料金、および(一部の顧客の場合)上下水道料金などの定額ユーティリティは、主要な固定資産税通知に記載されています。
私の居住している市では、数年前に水道のメーターを付けるように指示されましたので、水道代は使用した分を年4回に分けて請求されています。
修理費・管理費
賃貸の場合、建物や敷地内のメンテナンスは大家さんの責任ですので、水道管から水漏れがしたり、雨漏りがしたり、取り付けてある電化製品が壊れた場合などの問題は全て大家さんが修理してくれます。
持ち家の場合は、それが全て自費です。約15-20年に一度はボイラーやお湯タンクを買い替えなければいけませんし、屋根も15-30年に一度は変える必要があります。
電化製品などは10年持つか持たないかですので、それを買い替えるとなると結構な金額になります。
また、庭付きの場合は庭の手入れなども自分で行わなければならないので、これに休日の時間を割かなければいけません。
アパートやタウンハウスなど、「ストラータ・タイトル」(総合住宅の管理組織)に所属している場合は、住宅ローンとは別途で月に管理費をストラータに払い上記のような問題を解決してもらいます。
しかし、屋根の修理などの大規模な修理の場合は追加の費用を請求される場合があります。
この管理費は、エレベーターがある建物の方がない建物より高くなり、建物が古くなれば古くなるほど高くなります。
物件を購入する前に、管理費や固定資産税も表示されていることが殆どですので、その価格を毎月の生活の一部として考える必要があります。
あとがき
私達夫婦も、1999年に3LDKのタウンハウスを買える住宅クローンが可能でしたが、無理をしたくなくて2LDKのアパートを購入しました。
アパートが狭くなってタウンハウスに移りたいと思った時はもう既に1.5倍になっていて、私は子育て中で仕事をしていなかったため購入不可能になってしましました。
最後まで購入するか迷っていたタウンハウスを通るたびに、あの時ここを買っていたら今とはまた違った生活を送っていたんじゃないかと後悔しかありません。
お子さんがいる場合は、将来スペースが必要となりますのでその事も考慮するのも大事だと思います。
頭金の事も考えると、実家に住んだり、シェアハウスに住みながらでも若い内にできるだけ頭金を貯めて早い内に物件を購入するのもいいかもしれません。
お金を貯めるには資金運用を学んで、できるだけ資金を増やすことを心がける事が必要です。
以前の記事でも紹介しています。そちらも併せてどうぞ。