今、BC州とBCHydroが推している「Heat Pump(ヒートパンプ)」。
BCHydroがテレビで「Heat Pump」は効率も良く環境にも優しい上に最大$10,000までリベートが貰えるとコマーシャルで大規模な宣伝をしています。
去年の夏の猛暑の考えると、いよいよBC州でも冷房が必要になるのではと思っている方も少なくないでしょう。
最近新築されている家には「Heat Pump」を設置しているのをよく見かけます。
新築の場合は、「Heat Pump」に必要なダクトだったり、断熱材の設置などを設計に入れて付けているわけですから、既存のヒーターを「Heat Pump」交換する場合と状況が違います。
我が家のヒーターは、セントラルヒーティングで天然ガスを使用したボイラーを使用しています。
11年前に家を改装した際、新しいボイラーに変えましたので、まだしばらく使用できます。
私達もテレビのコマーシャルを見て、これってどうなんだろうと気になってはいたのですが、今のところ困ってもいないし、特に深くは考えていませんでした。
実は先日、この天然ガスのボイラーの年に一度のメンテナンスを業者さんにお願いしたのですが、このボイラーにちょっと問題が発生していたので、色々なオプションについてお話を聞きました。
そこで今回のトピック「Heat Pump」の話が出てきましたので、今回は、その「Heat Pump」について、まずは「Heat Pump」とは何か、その効果はどうなのかなどをよりよく理解するために、「Heat Pump」推しのBCHydoのホームページの記事を和訳してみました。
それを知ったうえで、最後にはこのメンテのおじさんの「Heat Pump」に関する助言と私の感想を書いてみたいと思います。
目次
1. BC Hydro ホームページ>ヒートパンプ(和訳)
- ヒートポンプとは何?その機能は?
- ヒートポンプのしくみ
- ヒートポンプの利点
- どの空気熱源ヒートポンプが適しているか
- ヒートポンプを入手する際の考慮事項
2. メンテナンス職員からの助言
3. まとめ
1. BC Hydro ホームページ>Heat Pump(和訳)
ヒートポンプとは何?機能は?
ヒートポンプは、天然ガス炉や電気ベースボードなど、他のタイプの家庭用暖房システムに代わるエネルギー効率の高い代替手段です。 さらに、ヒートポンプは効率的な暖房と冷房の両方を提供して、一年中家を快適に保つのに役立ちます。
このページは、次のようなヒートポンプのすべてを網羅したワンストップショップです。
- ヒートポンプのしくみ
- ヒートポンプの利点
- どの空気熱源ヒートポンプがあなたの家に適しているか
- ヒートポンプを入手する際の考慮事項
ヒートポンプのしくみ
ヒートポンプは、電気を使用して熱をある場所から別の場所に移動します。 冬には、外から暖かい空気を吸い込み、室内に移動して家を暖めます。 夏は、家の中で冷たい空気を循環させながら、暖かい空気を外に出すことで、エアコンのように機能します。
ヒートポンプの利点
冷暖房:これは、効率的な冷暖房を1つにまとめて、ポータブルまたはセントラルエアコンの必要性を排除できることを意味します。
水を動力源としています:ヒートポンプは、ブリティッシュコロンビア州で利用できる優れた手段です。クリーンな水力発電を利用しているからです。つまり、現在、暖房に化石燃料(天然ガス、プロパン、石油)を使用していて、ヒートポンプに切り替えると、家庭の環境への負荷が軽減されます。
設定後放置可能:他の暖房システムとは異なり、ヒートポンプは温度を調整しない場合に最適に機能します。ヒートポンプの使用と保守に関するヒントを参照してください。
電気ベースボードよりも効率的です:ヒートポンプは実際には熱を発生しないため、暖かく冷たい空気を移動させます。電気ベースボードよりも最大300%効率的です。また、一般的なウィンドウACユニットと比較して、冷却のエネルギー効率が最大50%向上します。
リベートで節約できます:現在、化石燃料暖房(天然ガス、プロパン、または石油)を使用していて、電動ヒートポンプに切り替えると、BC Hydro、CleanBC、および連邦政府からのリベートの対象となる可能性があります。
- 天然ガス、プロパン、または石油暖房からの切り替えについては、ヒートポンプのリベートを参照してください。
現在電気熱を使用している場合は、CleanBCと提携して、住宅改修リベートプログラムからリベートを利用できます。
- 電気で暖められた家のヒートポンプのリベートを参照してください。
どのヒートポンプが最適か?
ヒートポンプを入手したいが、どのタイプを使用するのが最適か分からない場合、ブリティッシュコロンビア州では、空気熱源ヒートポンプ(ASHP)が最適なオプションです。これらは外気から熱を奪い、それを屋内に移動させます。
ミニスプリットまたはセントラルシステムどちらがいいですか? DaveとJaclynが違いを説明し、特定の住宅タイプに最適なのをご覧ください。最終的な選択を行い、設置前に自宅のアップグレードが必要かどうかを判断できるプログラム登録請負業者に連絡することをお勧めします。
空気熱源ヒートポンプの種類については、以下をご覧ください。
あなたの家が現在電気ベースボードによって加熱されている場合
- ミニスプリットヒートポンプシステムは、設置が簡単でダクトが不要なため、電気ベースボードの代替として適しています。
- 家のサイズと構成によって、ヒートポンプで満たすことができる暖房ニーズの量が決まりますが、高効率ユニットは、多くの場合、家の暖房ニーズの70%以上を満たすことができます。
- 温度は通常、各ヘッドのリモコンを使用して制御されますが、一部のシステムには従来のサーモスタットを取り付けることができます。
あなたの家が現在天然ガス、石油または電気炉によって加熱されている場合
既存のダクトを使用する中央ヒートポンプシステムは、適切なオプションです。ダクトの変更が必要になる場合があることに注意してください。
熱損失の計算は、ご家庭に適したユニットサイズのヒートポンプを決定するのに役立ちます。
温度制御は、単一の中央サーモスタットを介して行われます。
ダクトレスシステムは、小規模な住宅のオプションにもなり得、これらのユニットは多くの場合より効率的であるため、より高いエネルギー節約を提供する可能性があります。
空気熱源ヒートポンプの種類
- ミニスプリットヒートポンプ:ミニスプリットヒートポンプ(ダクトレスヒートポンプとも呼ばれます)は、ダクトを必要としません。 それらは、空気から熱を集め、それを冷媒ラインを介して内部に取り付けられた1つまたは複数のヘッドに転送する室外ユニットを備えており、マルチゾーンの加熱または冷却を提供します。 ミニスプリットシステムは簡単に設置できますが、ヘッドを追加するたびに効率が低下する可能性があります。
- セントラルヒートポンプ:セントラルヒートポンプは、室内ユニットに接続された室外ユニットを持ち、ダクトを使用して家中の暖かいまたは冷たい空気を移動させます。
- ダクト付きミニスプリットヒートポンプ:ダクト付きミニスプリットヒートポンプは、2つ以上の部屋の通気口にダクトが通っている隠れたヘッド(通常は屋根裏部屋)を備えていることを除いて、ミニスプリットと同じように機能します。
ヒートポンプを入手する際に考慮すべきその他の事項
1.現在の暖房負荷
暖房負荷は、室内の温度を確立されたレベルに維持するために、主に家のサイズに基づいたその家が必要とする暖房の量です。ブリティッシュコロンビア州でヒートポンプを購入して設置し、リベートの対象となる場合は、家全体の暖房シーズンの最低50%を21ºCに加熱する能力を備えた一次暖房システムである必要があります。
どのシステムが最適かを判断するには、請負業者に家の熱負荷分析を依頼してください。また、リベート対象製品のリストからヒートポンプを選択するのにも役立ちます。
2.効率のレベル
多様なタイプのヒートポンプについて学んだ後、ヒートポンプがどれほど効率的である必要があるか、特にリベートの対象となるためにも検討する必要があります。
効率に影響を与える可能性のある複数の要因があります。たとえば、次のとおりです。
- ヒートポンプのHSPF定格(暖房の効率が高いほど効率的)
- ヒートポンプのSEER評価(冷却の効率が高いほど効率的)
- あなたの家はどれだけ断熱されていますか
- ダクトの気密性と正しいサイズ(中央ヒートポンプを検討している場合)
- ヒートポンプをどの程度維持し、どのくらいの頻度で設定を調整するか
- システムがどの程度インストールされているか
また、必要なコンプレッサーのタイプを選択する必要があります。可変速コンプレッサーを備えたヒートポンプは、単速または2速コンプレッサーを備えたヒートポンプよりも効率的です。
通常、可変速コンプレッサーを備えたヒートポンプの初期費用は高くなりますが、効率が高いということは、効率の低いシングルスピードまたは2スピードモデルよりも、電力の使用量と運転コストが低くなることを意味します。
BC HydroおよびCleanBCからのリベートの対象となるには、ヒートポンプをミニスプリットまたはセントラルユニットにすることができますが、可変速コンプレッサーが必要です。
3.断熱材とダクト
他の暖房システムと同様に、家の断熱性が高いほど、ヒートポンプの効率は高くなります。古い家に住んでいる場合は、新しいヒートポンプを最大限に活用できるように、家の断熱材をアップグレードすることも検討してください。
断熱材のアップグレードを実行する場合は、熱負荷分析を取得する前にこれを実行して、必要なヒートポンプのサイズを正確に決定できるようにします。適切な絶縁により、より小型で安価なシステムを設置できる場合もあります。
中央ヒートポンプの設置を検討していて、既存のダクトを備えた家がある場合、請負業者は、それがヒートポンプで機能するかどうか、または変更が必要かどうかを判断できます。
4.ブリティッシュコロンビア州の居住地
ロウアーメインランドまたはバンクーバー島以外の地域に住んでいる場合は、-25°Cという低い温度で動作するように設計された、耐寒性のあるヒートポンプを検討する必要があります。
5.予算
効率と同様に、ヒートポンプの購入と設置のコストは、家のサイズと選択した可変速システムによって大きく異なります。
平均すると、シングルヘッドヒートポンプに約6,000ドル、マルチヘッドユニットに10,000ドル、可変速セントラルシステムに14,000ドルを支払うことが予測できます。寒冷地のヒートポンプは通常15,000ドルから18,000ドルの費用がかかります。ヒートポンプのリベートは、BC Hydro、CleanBC、および連邦政府から入手できます。
現在電気熱を使用している場合は、利用可能なリベートを参照してください
天然ガス、石油、またはプロパンの熱がある場合は、利用可能なリベートを参照してください
6.資格のある請負業者を取得する
プログラムに登録された請負業者は、どの様なヒートポンプの設置が最適かを理解するのに役立ちます。ヒートポンプの人気が高まっているため、請負業者との接続に時間がかかる場合があるため、早めに開始してください。彼らに何を尋ねるべきかわからない場合は、質問のリストをご覧ください。
2. メンテのおじさんの助言
私が話したメンテのおじさんは、天然ガスのボイラーだけを取り扱っているわけではなく、Heat Pumpも取り扱っています。
彼が言うには、「BCHydroが何千ドルものリベートを何百世帯にもあげるには理由があるはずだ。長期に見ると、そのリベート資金を大幅に越せる程の利益があるからこそそのリベートを上げるはずだ。」との事です。
利益の投資はしないという事ですね。
実際設置した後に請求される電気代が馬鹿にならないはずだと言っていました。
そう言われてみればその様な気がします。
また、BCHydoの記事にもあった通り、Heat Pumpは、殆どの物が-25℃以下になると動かなくなるそうです。
-25℃になると突然動かなくなるのでしょうか、それともその温度に近くなると動きが鈍くなるのか詳しくは分かりませんが、冬に極寒になる所ではこの点も問題ですよね。
また、現在天然ガスのボイラーがある場合、単に天然ガスのボイラーとHeat pumpの機械を入れ替えればいいと言う簡単な話ではなく、天然ガスを敷地全体から遮断する作業が必要だと言っていました。
もう一つの点は、Heat pumpはほぼ一年中稼働しているので、モーターの消耗も早いはずだとも言ってました。
3. まとめ
今回私が話したメンテのおじさんの言っている事が、どのくらい的を得てるのか分かりませんが、Heat Pumpの場合は初期投資にかかる費用が、物によっては$15,000を超える可能性があります。
彼の言っている事も理にかなっていると思いますので、Heat pumpへの切り替えを考えている人は、推しの方の利点ばかり見ずに、色んな人の意見も考慮したうえで決めた方がいいと思います。
また、以前カナダでも、政府が進めている環境対策による電気化の動きにより、電力が足りなくなり原子力発電所も考慮しなければならなくなるだろうと言うニュースも目にしたことがあります。
カナダ政府は、2035年までにガソリン車の販売を停止する計画を発表しています。
このまま行くと、BC州全体の車の充電に必要な電力を供給しなければいけなくなるわけですから、需要と供給のバランスが取れなくなると、やはり自然と単価が上がるのではないでしょうか。
経済が専門ではないので、あくまでも私の推測ですが、、、
Heat pumpに取り換える前にハッキリと電気代がいくらかかるか分かると助かるんですが、そればかりは使ってみないと分からないところが悲しいですね。
我が家は、いまの天然ガスボイラーが動く間はこれで頑張りたいと思います。