カナダの学校の不思議の一つが成績表です。
カナダの学校教育の方針は、州によって決められる為、各州で異なります。
私の地域はブリティッシュコロンビア州に属するので、ここでの成績表の付け方については、ブリティッシュコロンビア州のお話になります。
息子が小学校の時は、3年生まで「Not Yet Meeting Expectations, Approaching Expectations, Meeting Expectations, Exceeding Expectations」の4段階で評価されていました。
当時先生からは、極端に援助が必要な程の遅れや飛び級可能な賢さがない限りは、Meeting Expectationsで評価されると聞き、Exceeding Expectations をあげることは殆どないと言ってました。（先生によって異なるかも）
それでも、4年生からはABC評価（Aが一番良い）が使用されていましたが、これからはそれも無くなりそうです。
Proficiency Scale （プロフィシエンシースケール：能力スケール）が、導入されるからです。
Proficiency Scale （プロフィシエンシースケール：能力スケール）
これからは、9年生（中学校3年生）までこのProficiency Scaleで成績の評価がなされ、ABC評価は10年生（高校一年生）以上から始まるそうです。
地域によっては、今年8年生になった生徒からこのシステムを開始していて、現在9年生は引き続きABC評価を使用しているところもあるかもしれません。私が通っているアダルト向けの英語クラスでも、この Proficiency Scale が使用されていて、ABC評価はしないそうです。
ABC評価では、86点以上がA、73~85点がB、51～72点がC、それ以下がFですので、Aのなかでも、Bに近いAなのか、満点に近いAなのか一目瞭然ですが、 Proficiency Scale では、それが明白ではありません。
これによる利点は、点数やABC評価にストレスを感じる生徒にとっては、幼いうちからその様な経験しなくなり、周囲からのプレッシャーも軽減できます。アジア系の親は特に子供の成績に対して厳しい面がありますので、子供の負担を和らげる意味でも、この方法は教育者側ができる配慮の一つかもしれません。
これが逆に短所とも言えます。競争心があり高得点を目指し頑張れる生徒にとっては、目標が明確ではない為、満足しないかもしれません。
Proficiency scale では、Emerging, Developing, Proficient, Extending 4段階のスケールを使います。生徒は、事前に渡される学習評価基準（ルーブリック）に書かれた各スケールの必要項目に従い、生徒個人がそれを満たすよう課題に取り組みます。
教師は、生徒が提出した課題が、ルーブリックのどの枠（スケール）の項目を満たしているかによって4段階の内から評価します。
例えば、一つの課題に4つの必須事項があるとすると、それぞれに4つのスケールの項目があり、その内の3つがProficient でもう一つがDevelopingになる事もあります。私の先生は、よっぽど良くなければExtendingは出さないと言っていました。これは先生にもよると思います。
点数が出ないのに不満を持つ人も当然いると思いますが、この評価方法で課題に取り組んでいる私からすると、ルーブリックに記載している項目に忠実に取り組めばそれなりの成績が取れる感じなので、課題の取り組みが苦手な生徒には効果的かもしれません。
また、評価された後に自分の弱点が分かり、次回の課題で何に注意すればよいかと言うことが明白なので、それも悪くない気がします。
まとめ
結局のところ、点数が出なくても能力のレベルを4段階で評価するので、明確でなくてもどこかの枠に入れ込むわけですから、基本的には順位付けとそこまで変わらないような気もしますが、、、
また、10年生になれば、大学進学の為にテストの点数によってABC評価が始まります。
ストレスを感じる子にとって、その時急にそのストレスを受ける環境に対面する方がいいのか、少しずつ慣れていくのが良いのか、どうなんでしょうかね。
我が家の息子ちゃんたちは、成績を気にするタイプではなかったので、私の方がストレスを感じていたような気もします(笑)
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