先日ブログで呟いた、作文の宿題に続いて、本読みの宿題が出ました。
作文は苦手だと書きましたが、本読みは嫌いです。
日本語でも嫌いなので英語でなんて悪夢です。
今回、本読みの宿題として出たのは、Shirley Jackson 著書『The Lottery』です。
前回呟いた作文の宿題は、まだ下書き状態ですが、何とか形になってきて16日の期日までに少しづつ編集していこうと思っています。
フォロアーさんからのアドバイスもあり、まずは日本語で自分の考えをまとめ英文にしました。
所々グーグル先生に相談して、普段私が使わない英語表現文を知ることができて、自分の作文力の成長が徐々に見えてきています。
カナダの学校では、最近はABC表記をせず、4つ能力表記で評価してるそうです。
結局のところ4つの段階で評価しているので、個人的にはABC評価とあまり変わらないんじゃないかと思うんですが、、、
今回の宿題に出された本『The Lottery』(宝くじ)は、フィクションスリラー(ホラー)のジャンルに入ります。
この本は、田舎町に住んでいた著者が散歩中に思いついたストーリーを書いたところ、たまたまThe New Yorker と言う雑誌の編集者の目に留まり、1948年に出版されました。
しかし、その内容に読者からの苦情が殺到し、購買を取りやめる人まで出てきて話題になった本です。
内容を理解するのに覚えておかないといけないポイントの一つに、出版されたのが太平洋戦争の数年後であることと、著者がドイツ系アメリカ人であるという事です。
皆さんは、題名『The Lottery』とジャンルだけ聞いてどんな本だと思いますか。
クラスでも、まず題名から内容を想像してみてと言われて、生徒の殆どが賞金が当たる宝くじと思い、賞金に群がる人たちの殺し合いとか、賞金が盗まれるなどの内容を想像していました。
授業では、この本のようなスタイルを Interpretive Fiction (解釈的フィクション)として紹介していて、著者が本の内容から読者に、実社会の暮らしと結び付け、人生や物事の考え方について深く考えさせるように導かせる目的で書いているそうです。
よって、本に出てくる一言一言に、著者から何らかのメッセージが隠されているというのです。
ここからは、ネタバレがありますので、本を読んでみようと思っている方は、スキップしてください。
舞台は、人口300人程の小さな村の広場です。
毎年6月恒例の抽選日に、人々がその広場に集まっています。
村の男の子たちは騒ぎながら、広場の隅に石を集めて積み重ねています。
まずは男たちが広場に集まり、その後ろには女たちが集まっています。
皆が集まると、抽選が始まります。
それぞれの世帯主の名前が呼ばれ、呼れた者は、広場の中心にある黒い箱から紙切れを一枚選び、元の場所へと戻っていきます。
そして一人の世帯主が選ばれます。
その後、もう一度抽選があります。
最初に選ばれた家族5人だけの抽選です。
黒斑の付いた当たりくじは、その家族の母親「テッシー」が引きました。
村の人々はテッシーを広場の真ん中に連れて行き、人々は一斉に集めた石を手にテッシーに向かって投げつけるのです。
あらすじは、こんな感じで、最後には気分が悪くなるストーリーです。
注目する点は、小さな村で昔から行われている伝統的な抽選会であること。
殆どの人が、グロテスクな結果を知りながらも平常心を保っていて、最後にはさっきまで一緒に仲良く話していた人達まで興奮さえ感じさせる態度で石投げに参加しているという事です。
一体、著者が伝えたかったメッセージは何なのでしょう?
今回この本が宿題になる前に、文脈には無駄なものはなく、著者からの何らかのメッセージが隠されているので、それを考えながら読むように言われたので、色々深読みしながらゆっくり読む必要がありました。
私が読んだのは、プリントしたものだったので、もしかしたら授業用に編集され直されているのかもしれません。
ショートストリーですので、読むのにそんなに時間はかかりませんでしたが、私は、登場人物も多いので相関図を書いたりメモを取ったり絵をかいたりしながら、時間を掛けて読みました。
こういった作業をしながら本を読むのは初めてでした。
そんな風に注意深く読んでいると、この人は何でこんなことを言ったんだろう?とか、この人はこの時どう思っていたんだろう?とか、色んな疑問が浮かび上がるんですよね。
そんな疑問をメモしてクラスでディスカッションしました。
クラスでのディスカッションでは、読んでいる人の解釈の仕方によって、どれが正解かがはっきりしなかったり、また疑問に思う事も異なっていたりと、色々学ぶこともありとてもおもしろかったです。
嫌いな本読みの宿題でしたが、思ってた以上に楽しむことができました。
皆さんも、『The Lottery』で著者が何を伝えようとしているのか考えながら読んでみてはいかがでしょう?