骨髄炎(Osteomyelitis) とは
骨髄炎は、細菌、抗酸菌、または真菌によって起こる、骨の感染症です。 細菌、抗酸菌、真菌が血液を介して、あるいは近くの感染組織や開いて汚染された傷から広がり、骨に感染し起こる疾患の事です。 患者には骨の一部の痛み、発熱、体重減少がみられます。
カナダでの検査と診断方法
血液検査では炎症の有無を表す数値の異変、X線レントゲンやCTでは骨の中の影、MRIによって確実に診断できます。
骨髄炎と診断されると、治療薬を決めるために感染している部位の組織や膿を取って細菌培養を通し確定します。
カナダでの治療方法
細菌の種類が判明した場合は、毎週一回の血液検査で感染の状態を確認しながら、その細菌に効く抗菌薬を自宅で6週間かけて静脈投与します。
その後、MRIやCTなどで完治の確認をするのですが、感染した骨の状態が悪ければ、その部分の骨を切除する可能性もあります。
この6週間の治療で治るケースがほとんどですが、慢性化して感染を繰り返す可能性もあるそうです。
次男が骨髄炎と診断されるまでの経緯
私の次男は、以前記事にも書いたように、8年前10歳の時にJIA(若年性特発性関節炎)所謂小児リウマチと診断を受けました。
その時の話は以下の記事でしています
日本では、リウマチの原因は遺伝だと言うイメージが強いですが、私がカナダで聞いたところでは、そうとも限らないそうです。原因不明と言われました。
リウマチの症状は自分の免疫が健康な細胞を攻撃してしまう事から炎症を起こすため、治療薬の一つとして、免疫を落とす薬を脂肪注射で投与します。
その為、感染症にかかると完治に時間が掛かるので気を付けなければなりません。
次男は、去年の8月に膿が溜る感染症にかかってしまい、専門医で施術を受けたのですがなかなか良くならず、微熱が一週間続いたため緊急病棟に連れて行きました。
そこでは心拍数も上がっていたため、とんとん拍子に事が進み、CTを受けたところ、想像以上の大きな膿の袋がある事が発見され即全身麻酔を使った手術を受けました。
11月に、膿の道を開く手術をもう一度受け、膿が抜けきるのを待つだけの長い日々が続きました。(現在も膿は出続けています)
12月下旬には、骨の痛みを訴え始めたので、同じ専門医に診断を受けたのですが、外診だけですのでお薬のせいで治りが悪いだけだと言われました。
私はその時点で骨髄炎の可能性を心配していたので、その話を持ち出し、MRIを取れるようお願いしました。しかも至急という事で。
その時の話では、2週間後でしたがまったく連絡が来ません。その内、痛がっているところの近くに皮膚が腫れているようなところがあったので問診しましたが何も心配ない、MRIもお願いしてるからそれ以上何もできないと言われました。
カナダの医療は無料ですが、その分CTやMRIなどの医療器具は、特別な紹介状が必要で、緊急でなければ6ヶ月待ちは普通です。
時はコロナ自粛真っただ中の為、病院の全ての診断が延期されていました。そのせいもあり至急でもかなりの混雑している様でした。
3月頃、MRIセンターに連絡して、「近くに住んでいますから、急なキャンセルがでたら入れてください」とお願いしておきました。
4月下旬、プライベートのMRIの事を聞いたので、それを視野に入れていた頃電話が掛かり、翌日にMRIを取ることが出来ました。
いつもの専門医から連絡があり、新しい膿の袋が痛がっていた骨の近くにできていて、骨髄炎の可能性があるのでその手術が出来る専門医を紹介すると言われました。
私は怒りが抑えきれず、「私の言った通りでしたね。」ってついつい言ってしましました。
その時点では、外科医への紹介のみ話題に出ていましたので、骨髄炎もはっきりさせたいので、感染症の先生も紹介してくださいとお願いしなければなりませんでした。
そして翌週、感染症の先生から連絡があり、「骨髄炎の疑い」ではなく、「骨髄炎だ」と診断されました。
まとめ
カナダでは、直接専門科の専門医に見てもらう事が出来ません。ファミリードクターの診断を受け、専門医への紹介状を頂いて初めて専門医から診断を受けることが出来ます。
専門医に会うだけでも時間が掛かる上に、専門医と言っても全てを知っているわけではありません。今回の様に、自分の専門分野でなければ考えがが回らないケースもあります。
黙っていれば、放って置かれてしまうし、誤診される可能性もあります。
セカンドオピニオンを受けたくても、そのセカンドオピニオンをくれる他の専門医を紹介してもらう事も困難です。
今回の件で、私がもっとできたこともあると思います。もっと早くプライベートのMRIを考えればよかったと後悔もします。
しかし、初めは「2週間後」その後「2ヶ月後」そして「もうすぐ」と言われていましたので、期待してしまいました。
骨髄炎の話は、息子がリウマチと診断される前に可能性が出ていたこともあり調べていましたので、今回症状が非常に似ていたため、話題に出すことが出来ました。
もしその事を知らなかったら、後どれだけ待たされていたのかと思うとゾッとします。
改めて、自分で調べて積極的に検査を受けられるように交渉する事の大切さを実感しました。
皆さんも、少しでも調子が悪かったら検査に行き、医師と納得がいくまで相談してください。
手遅れにならない様に。
次回は、現在息子が受けている治療法についてお話ししたいと思います。