カナダでは、助成金やクレジットなど、援助の必要な市民のために設けられた政策がいくつもあります。その中には、教育貯蓄助成金 (BCTESG) など、自分から申し込まなければいけないものもあり、知らないと申請時期を逃がして受給できないこともあります。タックスリターンの時に申告できる控除もそのうちの一つです。
カナダでは、タックスリターン(所得税確定申告)の際に使える、知ってて得する控除項目が沢山あります。特に学生の場合、いくつか追加で控除を申請できる可能性がありますので、その点はしっかり把握しておきたいところです。それを知らずに申告を済ませたり、先延ばしにすると、翌年以降に繰り越せる控除の申告チャンスを逃す可能性もあります。
学生とは
- 高校を卒業して大学や専門学校にフルタイムまたはパートタイムで通っている学生
- 働きながらスキルを伸ばす為にコースを取っている学生
- 子供を育てながら学校に通っている学生
- 障害をもって学校に行っている学生
- 全額支給の奨学金や賞金を受け取っている学生
控除の対象
控除に使える項目は、学校に支払った授業料、学生ローンに支払った利子、引越し費用が対象です。
今回は、学生がタックスリターンをする時に知ってて得する8つの項目をご紹介したいと思います。
目次
1. 連邦の授業料税額控除(Federal Tuition Tax Credit)
2. カナダトレーニングクレジット (Canada Training Credit)
3. 一部の連邦および州のクレジット廃止
4. 学生ローンで支払った利子を申告する
5. 障害のある学生
6. 親である学生
7. 引っ越し費用
8. 奨学金の税金免除
1. 連邦の授業料税額控除(Federal Tuition Tax Credit)
連邦授業料税額控除(Federal Tuition Tax Credit)は、昨年収入がなかった場合でも、学校でコースを受講するために支払った適格な授業料(100ドル以上)を控除額として申告できます。
控除額は、支払った授業料の15%を連邦税、州で決められた分を州税に申告できます。BC州の場合は、連邦と州を合わせて20.6%が控除額です。昨年の金額を申告し忘れてしまうと、その控除額は、来年以降に使えなくなりますので注意しましょう。
また、職業でのスキルの開発または向上のためにコースを受講するため、または、職業、貿易、専門試験など教育機関に支払った料金(その教育機関がカナダ雇用社会開発省によって認定されている場合)、控除として申告できます。これには、証明として領収書が必要となります。
T2202証明書は、その年に支払った授業料を証明する書類で、通常は2月末に学校のウェブポータルからダウンロードできます。
注:T2202証明書は、2019会計年度以前のT2202AおよびTL11Bフォームに置き換わったものです。
今年のリターンの際、全額が必要ない場合は、この控除額を繰り越して将来使用する(4年間)か、家族(配偶者、内縁関係のパートナー、親、または祖父母)に移管して、彼らの税金控除額として使用することが出来ます。
2. カナダトレーニングクレジット(Canada Training Credit)
2020年に始まった、新しい連邦税額控除であるカナダトレーニングクレジット(Canada Training Credit)は、その年に受講した高等教育コースの対象となる授業料またはその他の料金を支払った場合に利用できます。しかし、この控除を利用するためにはいくつかの条件があります。
- 25〜65歳であること
- Canada Training Limit が必要です:
Canada Training Limit は、2019年のタックスリターンに申告を受された収入に基づいています。一年目である2020年の控除額は$250です。Canada Training Limit は、2019年のNotice of Assessment に記載されています。
*一人当たり生涯に受け取られる Canada Training Limit の総額は$5,000 です。
カナダトレーニングクレジットは、納税額を減らすだけの還付不可の授業料税額控除とは異なり、還付可能です。つまり、控除額が納税額よりも高い場合は、その差額を還付金として受け取ることが出来ます。
同じ年に授業料税額控除(Federal Tuition Tax Credit)とカナダトレーニングクレジットを申告できますが、カナダトレーニングクレジットを同時に申告することによって、譲渡、または繰り越しできる授業料税額控除額が減額されることになりますので注意してください。
3. 一部の連邦および州のクレジット廃止
アルバータ州、オンタリオ州、サスカチュワン州の授業料税額控除は廃止されました。これらの州のいずれかの居住者であり、未使用の授業料(前の税年度に使用しなかった州の授業料クレジットの残りの金額)がある場合は、それらを申告したり、繰り越したりすることができます。これらの金額は、将来のタックスリターンにも使用されます。
同様に、連邦教育と教科書の金額 ( Federal Education and Textbook Amounts) も削除されました。ただし、前年までの未使用の金額は、 2020年のタックルリターンに申告し減税に使用できます。
この場合の申告で余った金額は、繰越たり家族に送金することはできず、学生のみが請求できることになっています。
一部の州および準州では、授業料について独自の控除があります。
連邦の授業料控除の対象となる場合は、州の授業料を申告できる場合もあります。
- British Columbia
- Manitoba
- New Brunswick
- Newfoundland and Labrador
- Northwest Territories
- Nova Scotia
- Nunavut
- Prince Edward Island
- Yukon
4. 学生ローンで支払った利子を申告する
学生ローンに支払った利子を申告し、支払うべき税額を減らすことができます。2020年に支払った利子(または、過去5年間の利子をまだ申告していない場合のいずれか)を申告できます。
ただし、以下の条件でローンが発行された場合:
- The Canada Student Loans Act;
- The Canada Student Financial Assistance Act;
- Act respecting financial assistance for education expenses (residents of Québec);
- The Canada Apprentice Loan Act;
- 同様の州または準州政府の法律。または
- 高等教育後の学生(ケベック州の居住者)への財政援助の付与を規定するケベック州以外の州の法律。
つまり、個人ローンまたはクレジットラインで支払われる利子や別のローンと組み合わされた学生ローン、または別の国からの学生ローンは、この控除の対象にはなりません。
今年クレジットを全額使用する必要がない場合は、未使用の金額を今後5年間繰り越すことができます。これらの金額を他の人に送金することはできません。つまり、ローンの利息のクレジット申告は本人のみが認められています。
5. 障害のある学生
障害のある学生として、他の人にはない追加の費用がかかる場合があります。障害のある学生は、これらの費用を追加の税額控除額として申告できます。
たとえば、勉強するためにページめくりデバイスやメモ取りサービスが必要な場合、障害者が連邦および/またはケベック州の生涯援助の控除として、これらの費用を申告できる場合があります。
費用の種類によっては、CRA(およびケベック州に居住している場合はRevenuQuébec)が開業医に処方箋または書面による証明書を要求する場合があります。
障害のある学生が扶養家族である場合は、その両親が控除を申告することが出来る場合もあります。
6. 親である学生
クラスに参加できるように子供の世話をするために誰かにお金を払う必要がある場合は、連邦および/またはケベック州のタックスリターン時に保育費を申告できる場合があります(ケベック州の居住者の場合)。これには、デイケア、ベビーシッター、キャンプなどの費用が含まれます。
7. 引っ越し費用
2020年に高等教育プログラムのコースを受講するために自宅から40km以上離れた場所に移動した場合、移動費用を申告できる可能性があります。これには、輸送費、保管費、交通費、一時的な生活などに支払った金額が含まれます。資格を得るには、転居の理由に関連する収入(たとえば、課税対象の奨学金、研究助成金、または賞金を受け取った場合)があり、フルタイムの学生である必要があります。
8. 奨学金の免除
学生として、奨学金、助成金、および賞金などの収入は、フルタイムまたはパートタイムの学生であるかどうかに応じて、完全にまたは部分的に非課税です。
2019年から2021年の間に高等学校のフルタイムの学生だった場合、2020年に受け取った経済的賞金は、生活費(家賃や食費などの費用を含む)、授業料、およびプログラムに参加するために支払ったその他の費用などを大幅に上回らない限り、非課税になります。これは奨学金の免除と呼ばれます。
2019年から2021年の間にパートタイムの学生だった場合、奨学金の免除は $500です。授業料とプログラムに必要な教材費を加えた額に制限されます。ただし、障害のあるパートタイムの学生の場合は、フルタイムの学生と同じ奨学金の免除があります。
フルタイムまたはパートタイムの学生でない場合でも、奨学金の免除額は$500です。これは、ポスドクフェローシップなど、学位を取得しない高等教育プログラムに適用されます。
研究助成金は課税所得ですが、タックスリターンの時に、家から離れて研究を行う場合の旅費、宿泊費、食事代などの費用を差し引くことができます。
まとめ
上記の様にそれぞれの状況に応じたタックルリターンの方法を把握しておくのは、減税して利益を得るためにはとても重要な事です。
自分では複雑で面倒だと思う方は、必要書類を準備し、CRAのホームページで紹介されている業者の有料バージョンや、H&Rなどの業者を利用しファイリングすると良いと思います。学生割引の手数料を払う程度なので、多くても$60以下で出来ると思います。(要調査)
収入が無いからと言ってタックスリターンをしないでいると、繰り越しできるクレジットの権利を失ったりするケースも出てきてますので、その年のクレジット申告だけでもした方が良いと思います。
インカムタックスリターンの方法は 【カナダ 確定申告】 タックスリターンの利点とファイリン方法 をご参照ください。
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